常設展の改良 その12018年08月05日

松下のトランジスタラジオ1号機

松下のトランジスターラジオ1号機を展示しました。松下の1号機は3機種ありますが、展示したのは最も安価なEB-180型です。安価といっても6石スーパーで1,2800円と、真空管ラジオの中級機が買えるお値段です。自社製トランジスタの生産が間に合わなかった松下は当初ソニー製トランジスタを使用しました。ソニーはトランジスタラジオの普及のために他社に積極的にトランジスタを供給しました。この機種のトランジスタはすぐにフィリップスから技術導入された自社製に切り替えられまました。

常設展の改良 その22018年08月05日

三菱7X-800型
三菱電機がフランスのデザイナー、ピエール・カルダンにデザインを依頼したラジオ(写真左)を展示しました。このラジオができた1964年ころは、まだフランスのファッションブランドの製品が日本で販売されることはまだ一般的ではない時代です。それでも当時最も勢いのあったピエール・カルダンは日本市場に注目していました。

三菱とピエール・カルダンのコラボについての事情ははっきりしませんが、社内デザイナーの育成が間に合わない中堅以下のメーカが欧米のデザイナーに依頼することは、このころ自動車業界でもよく見られました。

地味な家電メーカとフランスのファッションデザイナーとの関係がうまくいかなかったのか、三菱とピエール・カルダンの協力の成果はこの1機種だけだったようです。その後しばらく、このような女性向けのデザインのラジオが三菱から出ることはありませんでした。

このデザインは香港のメーカに売却されたといわれ、よく似たデザインの無名品が存在します。