日本ラジオ博物館　館長のブログ

さて、ダイヤル糸の張り替えです。不器用な私にはラジオの修理の中で一番嫌いな作業です。幸い、元のかけ方はわかっているので、元の糸からだいたいの長さを出してかけ直します。バリコンが動かないように大型の洗濯ばさみで固定して、クリップとピンセットを駆使して、器用な人のたぶん数倍の時間をかけて、やっとできました。ダイヤル指針を金具を曲げてはさんで固定する部分が折れてしまっているのでボンドで固定して出来上がりです。

電源を入れてみると、ボリュームを絞り切っても音が消えないことに気が付きました。ボリュームの残留抵抗が１Ωくらいあるのですが、スライダをアースにつないでも消えません。異常なところはないようなので、6ZDH3Aの中で飛びついている可能性があります。真空管を選別して一番音が小さくなるものを選びました。まだ完全に聞こえないレベルにはなりませんが、部品交換した時にコンデンサが小さくなったためにアースポイントを変えてしまいました。理屈に合うようにつないだつもりなのですが、メーカ品は微妙なバランスでできていることがあるので良くないのかもしれません。実用にはなるのでこれで完成とします。