電蓄の修理(1) ― 2021年03月21日
今日は春の嵐でひどい雨と風です。博物館の準備も一段落したので、家で電蓄の修理を始めました。
博物館では42シングルの電蓄を鳴らせるようにしているのですが、少し劣化が進んできているので、せっかくなので少しグレードの高いのにできないかということで、同じ42でもプッシュプルのコンソールがあったので、これを直すことにしました。
キャビネットは邪魔なのでシャーシとプレーヤだけ外して収蔵庫から持ってきました。スピーカはナショナルの10インチのフィールド型が付いていたのですが、あまり状態が良くないので置いてきました。フィールドエキサイタが別にあったはずですが、出力トランスごとなくなっているようです。収蔵庫のスペアパーツからプッシュプル用の出力トランスを探して一緒に持ってきました。
シャーシをまず点検します。アルミの表面が錆びて汚れています。どうやらネズミの巣になっていたようです。ほこりを取ってワイヤブラシで磨きました。
電蓄の修理 (2) ― 2021年03月21日
シャーシの裏側を見ると、かなりきれいです。はんだ付けや配線がきれいで、相当腕の良い人が組んだもののようです。
電源コードはゴムが硬化して危険なので交換。ヒューズがなく、細い針金(コードの芯線を1本抜いたらしい)が巻き付けてあるので、取り除いて正しいヒューズに交換しました。
電源スイッチのYコンデンサは危険なので削除。ネズミにかじられたコンデンサはもちろん交換します。ブロック型の電解コンデンサもリード線がボロボロなので交換、表から見えるので配線だけ切り落として内部にチューブラー型を追加しました。
やっと電源を入れられるのですが、珍しいことにB電源がチョークインプットになっています。おかげでB電圧が230Vくらいしかありません。ハムも大きいので、10μFのケミコンを1個追加してコンデンサインプットにします。これでBが300V近くになり、π型フィルタになったのでハムも小さくなりました。
大電力の放送局だけ何とか受信できるようになりました。何回かスイッチを入れたら電源スイッチが壊れました。虎の子のスイッチ付ボリュームに交換しました。
電蓄の修理 (3) ― 2021年03月21日
この時代のラジオの典型で、ペーパーコンデンサは絶縁不良になっています。低周波段のカップリングのプラス側にはプラスの電圧が出ています。他にはそれほど異常な電圧は出ていないようですが、博物館で長く使うので、端から交換しておきました。オリジナルにはあまりこだわらずにフィルムコンデンサを使いました。高周波部のパスコンは、基本的なスーパーの回路では0.1μFを使うのですが、フィルムコンのほうがはるかに特性が良いので、容量は手持ちの適当なものを使っておきました。
音は出るのですが、スーパーにしては感度が低いのが気になります。
外部アンテナをつながないと聞こえません。6WC5は新品があったので交換してみましたが変わりません。42はプッシュプルなのに、1本がナショナル、1本はマツダで、マツダのほうは見た目でかなりぼけているようです。セルフバイアスなので、とりあえず動くようですが、何とかしたいものです。
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