あけましておめでとうございます2021年01月01日

コロナで乾杯
新年、あけましておめでとうございます。

昨年は移転、リニューアルを控えて慌ただしいお正月でしたが、その時はまさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。大晦日になって、東京都で1300名を超える感染者が出たニュースが飛び込んできて、驚かされました。強烈な第三波が来ていますが、当館は幸い?冬季休館中です。

3月には開館すべく、これから企画展の準備があるのですが、順調に進められるかどうかちょっと心配です。

まあ、とりあえずやれることをやるしかないので、三が日はおせちをつまみながら、家でゆっくり準備を進めようと思います。

というわけで新年の乾杯はCorona ビールで・・・。
本年もよろしくお願いします。

博物館で鳴らしているラジオの修理(1)2021年01月01日

オンキヨーOS-55

冬休みを利用して、博物館で鳴らしているオンキヨーの5球スーパーOS-55型(オンキヨーの1号機)を修理することにします。症状は
・ボリュームの不調:ガリ、絞り切れない
・マジックアイが点灯しない
・4時間くらい経つと』音が小さくなる
というものです。まずはシャーシを引っ張り出してみましょう。

博物館で鳴らしているラジオの修理(2)2021年01月01日

シャーシ裏

シャーシの裏を点検します。低周波のカップリング以外はほぼオリジナルでした。コンデンサはいかにも劣化していそうなのですが、各部の電圧や波形をチェックしてみても大きな不具合はなさそうです。長く使うのであれば、本当は全部交換したほうが良いのですが、ここはとりあえずそのままとします。ただ、ACの一次側に入っているノイズ防止用のYコンデンサはさすがにリークが増えると危険なので取り外しておきます。

まずはスイッチ付ボリュームを交換します。大型でロングシャフトの貴重な当時のパーツの新品を使います。シャフトが少し短いですが大丈夫でしょう。端子の向きが違いますが、配線は届きそうです。慎重に外して交換し、配線を確認して電源を入れたら・・・全く鳴りません。よく見たらIF段のカソードが浮いています。ピックアップに切替えた時にラジオが混入しないようにスイッチで浮かせているようですが、回路図を見てもなんとも理解できません。どう考えても1回路でピックアップとIFの切り替えをやるのは無理です。

夕方になって、煮詰まってきたので明日にします。
今日はすき焼きでビールです。頭が煮詰まるより鍋を煮たほうが良さそうです。

博物館で鳴らしているラジオの修理(3)2021年01月02日

テスト中

翌朝、気を取り直して見直します。外したボリュームはどこにでもあるようなCOSMOSの製品で、スイッチの表示も1回路2接点と同じC-A-Bとなっていますが、テスターで確認してみると、スイッチが入っているときは全ての接点がONになり、スイッチを切ってピックアップに切替えると接点の片方がOFFになるという特殊な物でした。このため、ラジオにしているときはボリュームの片側とIFのカソードが両方アースにつながり、ピックアップに切替えるとIFのカソードが浮くようになります。

量産メーカはこんなカスタムの部品を作れるので修理の時には困りますね。結局ピックアップの端子は使わないので殺すことにしました。

マジックアイは球自体の劣化のようです。状態の良いものを探してきて交換しました。

しばらくテストしたのですが、音が小さくなる現象は出ません。出力管の劣化かなと思います。キャビネットに収めて組み直してしばらくランニングすることにします。

Twitterはじめました2021年01月03日

Twitter画面

今年からTwitter での発信を始めました。以前からアカウントは作ってあったのですが、本格的に使っていませんでした。日々の活動、博物館の開館状況などをつぶやいていきたいと思います。

https://twitter.com/mr5t_okb

今年もよろしくお願いします2021年01月04日

公園のカモ

三が日も明けましたが人通りは少ないです。
公園のカモさんはお正月もコロナも関係ないらしく、元気にモリモリ食べてます。癒されます。

6球スーパーの修理(1)2021年01月04日

修理前の写真

寄贈品の6球スーパーを修理します。うまく直れば博物館で鳴らすラジオのスペアにしようと思います。
カシオペアというキャビネットメーカーの箱とシャーシを使ったもので、オールウェーブの箱に中波専用のラジオを組んでいるので、たぶんアマチュアが組み立てたものでしょう。

外観からチェックします。ツマミが1個ないので、同じものを探して取り付けます。キャビネットの傷と褪色がひどいので、WATCOのオイルを擦り込んで目立たなくします。突板が浮いているところがあるので、ボンドを入れてクランプで固定します。シャーシがさびているので真鍮ブラシでこすって落としておきます。

分解する前にわかる問題点は、アンテナの端子台が割れていることと、電源コード、ゴムブッシュの激しい劣化です。幸い、ダイヤルの糸が切れていないのと、断線が多いスピーカの出力トランスの一次側が生きていたのでひと安心です。このような手作りラジオはオリジナルをあまり気にしなくて良いのと、汎用の部品が使えるので部品を探すのは楽です。端子盤や電源コード、ゴムブッシュを準備しました。一通り点検したところで今日はここまでです。

6球スーパーの修理(2)2021年01月05日

シャーシ裏

シャーシを引き出して本格的な修理にかかります。マジックアイのソケットを抜いたらベースが外れてしまいました。劣化しているようなので交換することにします。マジックアイのケーブルもボロボロなので交換が必要です。とりあえず取り付けない状態でチェックしていきます。

アンテナ端子と電源コードを交換します。電源コードは、当時よく使われた緑色のベルコードと当時の平型プラグを使います。ノイズ対策用の一次側のYコンデンサは危ないので外します。パイロットランプのコードが傷んでいるのでこれも交換しました。これで電源が入ります。

電源が入ったのは良いのですが、不思議なことにヒューズが2本付いています。これはトランスレスのように両極にヒューズが入っているのではなく、90Vと100Vのタップ切替用なので、どちらかに入るのが正しいので、片方抜いて100Vのほうだけに入れるようにしたら電源が入らなくなりました。

トランスの100Vの端子からヒューズホルダへの配線が断線していました。配線を直さずにヒューズを90Vのタップに追加して済ませたようです。電源が入り、真空管は全部灯りましたが音は出ません。B電圧を見ると280V必要なところ150Vくらいしかありません。整流管を交換したら正規の電圧になりました。平滑のブロックケミコンも怪しいのでチューブラー型の新しいものに交換しました。

ピックアップ切替スイッチにガタがあるので直結したらとりあえず音が出ましたが、感度が非常に低いです。ちょっと手ごわそうなので今日はここまでです。

第3波が2021年01月06日


1都3県に緊急事態宣言が出そうです。長野県内でも今日、50名(たぶん最大)の感染者が確認されました。一応緊急事態宣言は1ヶ月とのことですが、専門家はもっとかかりそうな意見です。もし2か月ということになると、春の開館の時期にかかってきます。無事に再開できると良いのですが、安全第一で状況を把握して適切な判断をしたいと思います。

6球スーパーの修理(3)2021年01月06日

修理風景

修理の続きです。1mくらいのアンテナ線をつないでボリュームをいっぱいに上げるとやっと聞こえる程度の音量です。出力管(42)のグリッドの電圧を計るとプラスに振れています。例によってカップリングコンデンサの絶縁不良です。交換してグリッドバイアスは正常に、音も少し良くなりましたが、音量は小さく、ノイズに埋もれています。IF段(6D6)のスクリーン電圧が少し低いようなので、カップリングのケミコンを交換したら少し電圧が上がりました。音量は変わりません。

ボリュームはだいぶ前に交換されていましたが、すでにガリが出ています。補修は後回しにして、ボロボロのシールド線だけ交換します。

シャーシから変な振動音が出ています。整流管を触ったら音が止まってB電圧が少し上がりました。ソケットの接触不良のようなので、端子の金具をペンチで少し縮めて補修しました。

しばらく鳴らしていたら突然音が消えました。B電圧が上がり、42のカソード電圧が出ていません。カソード抵抗は正常なので、プレート電流が流れていないということです。42を交換したら直りました。出力管が寿命だったようですが、こんなことは初めてです。

さて、2階から外に10m伸ばしているアンテナをつないでみます。感度が一気に上がって正常に鳴り出しました。回路そのものは正常に動いていそうです。でも、並四じゃあるまいし、RF付の6球スーパーがこんな本格的なアンテナをつながないとまともに鳴らないのは異常です。

このラジオ、本当に最初からきちんと動いていたのでしょうか。アマチュアの手作り品は配線ミスなどで最初からまともでないことがたまにあるので修理に手間取ります。今日はここまでです。