明治時代の資料を読んでいます2022年02月06日


企画展のために初期の無線の資料と格闘しています。コロナで休日は家にこもっているのでちょうどよいのですが・・・。
資料は日本初の電気の専門誌「電気之友」です。ほとんどは発電や電気鉄道の関係なのですが、電信・電話とともに20世紀にはいると無線電信の記事が増えてきます。

マルコーニやテスラが「時の人」だった時代、ちょうど日露戦争で無線の威力が伝わったころです。まだタイタニックは沈んでいません。ホワイトスター海運や、ライバルのキュナード社の客船にマルコーニの無線が付くという記事がありました。

真空管も鉱石検波器も存在せず、火花送信とコヒーラが実用品だったころの話です。

やはり当時の資料を読むと、時代の見方が変わってきます。一次資料とまではいかなくても、歴史書だけでなく、当時の資料を読むことは大切だと思いました。寄贈いただいてから10年近くたって初めてきちんと読みました。資料はいつ必要になるかわからないものですね。

興味深い誌面の実物を展示したいと思います。

エナメル線の起源2022年02月13日

電気之友明治39年9月号

週末は自宅にこもって明治時代の雑誌『電気之友』を読んでます。雪が降りそうで寒いですからね。

明治39(1906)年9月号に、ドイツ、アルゲマイネ(AEG)社が新絶縁線の「エナメル線」を発売したという記事がありました。今ではなんでもない当たり前の物でも、何事も最初があるのですね。

ラジオが始まったころはエナメル線より絹巻線のほうが一般的なので、ここまで古いものとは思いませんでした。本来は、被覆が薄いために高圧大電流の発電機などの巻き線を高密度に巻くためのものだったようです。細い線がなかったのか、高価だったのか、理由はわかりませんが、日本では1930年代から一般的になるようです。

ということは昨年はエナメル線発売115周年記念?。誰もお祝いしてくれなかったようですがAEGに感謝しないといけないですね。

ダイレクトメールの準備中です2022年02月19日

DM準備

寒いですね。チラシの印刷が上がってきたので、今日は企画展「ラジオのはじまり」のダイレクトメールを準備しています。普段は博物館で準備するのですが、閉めている博物館は寒いので、暖かい自宅のダイニングテーブルで作業しています。

300通ほど出すので結構大変ですが、少しずつ数が増えているのはうれしいです。企画展の準備もあと少しです。展示が固まらないと出展目録が作れないので、いつもぎりぎりになります。

企画展の展示品の紹介2022年02月20日

米国マルコーニ社の株券

企画展に出す米国マルコーニの株券です。イギリスのマルコーニ社は、ライセンスを武器に世界の無線電信を支配しました。大西洋の反対側の米国にも支社を作り、その勢力を伸ばしていきました。火花式の無線機なら、本来はどの無線機とも交信できるはずですが、マルコーニは自社の無線機を搭載していない船と交信しない姿勢を貫きました。特に遭難時などに大きな問題を生じたため、各国は国際会議を開きましたが、マルコーニは参加しませんでした。

アメリカはマルコーニの独占を打破するために国内各社のライセンスを集めて国策会社RCAを設立しました。そして第1次大戦の戦時立法により米国マルコーニの活動を停止させ、株式をRCAに強制的に売却させました。この株券も1920年に売却のためにキャンセルされています。

出展目録ができました2022年02月20日

出典目録表紙

企画展#ラジオのはじまり の出展目録ができました。noteのページhttps://japanradio-museum.note.jp/n/n9c749191f2a4#0GcIy
からダウンロードできます。

DMが準備できました2022年02月27日

DM準備完了

やっとDMの準備が終わりました。結局いつもの館内での作業に。300通ほど準備しました。封筒がなくなりそうになって焦りましたが、何とか間に合いました。不自然な姿勢でラベルを張るので腰に来ます。展示の準備もあと少しです。今週末で準備がすべて終わる予定です。

最近では珍しいマイナス10度を切る日が続いていましたが、やっと暖かくなってきました。このまま春になるといいですね。