古典ラジオの修理 (6) ― 2021年01月30日

キャビネットの仕上げの続きです。新しく取り付けた木材にはステインとニスを重ねて塗装しました。表面は全体にオイルを擦り込んで着色と艶出しをします。内部の虫穴をパテで埋め、扉を付けてキャビネットの完成です。
シャーシを載せ直すのですが、これが大変です。普通、この手のラジオはパネルの額縁の上の桟が外れるようになっているのですが、釘打ちされています。パネルは桟の溝にはまっているので、まっすぐには入りません。取り出すときはあちこち緩んでいたのでまだよかったのですが、今度はきっちり組んでしまったので余裕がなくなりました。側板がゆがんでいるのでパネルの寸法ギリギリです。知恵の輪のようにして何とか納めました。
このようなバッテリーケース付きのデザインは、日本独特のものです。欧米ではラジオはテーブルに乗せていましたので、バッテリーはテーブルの下に収納しましたが、日本では床の間などに置いたので、バッテリーを体裁よく置くところがなく、パネルの位置が低すぎて使いにくかったので、このような形ができたようです。
古典ラジオの修理 (7) ― 2021年01月30日

一応形にした古典ラジオですが、キャビネットの修理は完全ではありません。今の私の腕と設備ではここまでが限度かなと思います。
結局、シャーシのオリジナル度が低く、残っていたゴージャスなダイヤルに合わせてレオスタットを左右につけて形にしましたが、改造交流式ラジオとしてはこれはあり得ない形です。コレクションとして保存するような品物ではないので、事務局の玄関に置いて、帰宅したときに郵便物などを置いておく台にしました。結構便利です。
コレクションに入れるようなものではないのですが、ヘンなものを「作って」しまいましたので、後の時代の人がこれを手にして悩まないように経緯を記録して、登録台帳に残すことにしました。
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