常設展展示替え情報(2)2017年01月08日

「局型受信機の御勧め」というチラシを展示しました。
局型というとNHKと逓信省お墨付きの標準機としてさぞ立場が強かったと思われがちですが、発売当初は一般の安物ラジオより割高で売れ行きが悪かったため、販促キャンペーンが行われました。これは昭和16年に長野県の伊那電気鉄道(鉄道会社が経営していた電力会社です)が、販促のために作ったチラシです。公定価格が適用されているので値引きはありませんが、工事費無料、6か月保証を特典としています。
戦闘場面の絵が入っているあたりは時代を感じさせますが、太平洋戦争開戦直前なので、中国戦線を思わせる地上戦の図です。戦争のニュースへの関心からラジオが最もよく売れた年でした。

この後、統制が厳しくなってから局型が日本のラジオの中心になります。

なお、伊那電気鉄道は戦時下の統合によって電力部門は中部配電(現中部電力)に、鉄道は国有化されて一部が現在のJR飯田線になりました。

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