常設展のリニューアル ― 2021年04月13日
常設展は、なかなか展示品の入れ替えができません。収蔵品はたくさんあっても、内容とコンディションが展示に相応しいものはなかなかないものです。
そこでちょっとしたリニューアルですが、パナペットのカラーバリエーションを増やしてみました。このようなプラスチックのカラフルな家電は70年代の流行です。今見ると、軽さや安っぽさを感じるものですが、高度成長の時代は、このような「明るく」「近代的な」ものがもてはやされました。
実際に、隙間だらけで障子が入った民家は寒くて薄暗く、暮らしやすいものではありませんでした。しばらく前まで使っていた炭火のすすで汚れた「古民家」は嫌われ、新建材で覆い、畳に安っぽいカーペットを敷き、ペラペラのカーテンを付け、蛍光灯で明るく照らして喜んでいました。
そこにテレビなどの家電を入れて生活を「近代化」したのです。
私は子供のころ、こんな家がきれいになり、アルミサッシで隙間風がなくなるのを体で感じていたので、当時の人々の気持ちが良くわかります。
小さな展示品一つから、当時の空気を感じていただければと思います。
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