フィルモン ― 2020年04月15日
今日は新館の新しい展示品の紹介です。
SPレコードというと、1枚の片面で3―5分程度しか録音できませんが、戦前の1938年に、独創的な発明で35分の長時間再生を実現した日本オリジナルの「音帯」を使うレコードがフィルモンです。
レコードと同じ溝が、映画フィルムと同じ35mm幅のセルロイドフィルムに刻まれ、エンドレスになっています。
長時間録音と高い性能を実現した画期的な製品でしたが、「音帯」の制作、製造には大変な手間とコストがかかり、再生機も専用となるため高価でした。戦争の激化で電蓄の生産そのものが禁止され、フィルモンは1940年に短い生涯を終えました。
このためフィルモンの再生装置はごくわずかしか残っていません。
当館ではリニューアルにあたって、これまで長い間収蔵庫に保管していたフィルモンの電蓄を今回展示することになりました。このようなコンソール型は、数少ないフィルモンの中でも高価すぎて特に生産台数が少なく、他に現存するものは確認されていません。展示品は円盤録音用のカッターまで備えた特注品と思われるものです。残念ながらアンプ部の欠品が多く、音帯も所蔵していないことから動作させることはできません。
この貴重な電蓄を写真のように第1展示室の中央に、アメリカ製電蓄の名機、RCA Victor RE-45 と並べて展示します。
未来技術遺産にも指定された日本オリジナルの電蓄をぜひご覧いただければと思います。
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