あけましておめでとうございます2022年01月01日

Tiger Battery のラベル

新年あけましておめでとうございます。
日本ラジオ博物館は今年、開館10周年を迎えます。
来週末から企画展の準備を再開します。
「ラジオのはじまり」展、ご期待ください。

寅年ということで、Tiger Battery の銘板の写真をお見せします。
タイガー電池製作所は、1921(大正10)年に大阪で創業し、自動車及びラジオ用の蓄電池を製造しました。社名は創業者の戸根虎次郎の「虎」から取ったものです。マークがG.E. の"Tunger" と似ているのはご愛敬。

同社はラジオの交流化とともに電池からラジオに業態転換し、三菱電機のラジオのOEMを請け負うところからスタートして「コンサートン」ラジオでラジオ業界の一角を占めるようになります。

BC-348をテストしました2022年01月03日

BC-348

米軍の大型機用の受信機、BC-348のジャンクを年末に入手したので、チェックしてました。この受信機はB-17, B-24, C-47(DC-3), B-29などの大型機に搭載されて第2次大戦中に主力として使われました。
今回手に入れたものは、銘板がなくなっているので正確なところは不明ですが、長波のバンドがない初期型の-Bか-Cのようです。

飛行機のDC24Vで動作し、B電圧はダイナモで発電して昇圧しています。多くのBC-348同様AC電源に改造されています。改造と修理はハム歴50年以上の大ベテランJA2GWさんが1999年に実施したもので、完全に調整されていました。さすがに液が漏れだしていたオイルコンの一部を交換しました。

大型のレシプロエンジンが回る環境で使うために、今でいうEMC対策が厳重に施されています。戦闘態勢での使用を考慮して機能は最小限に整理され、使いやすさを徹底的に追及しています。

部屋を薄暗くして、パイロットランプの明かりを頼りに、アマチュアの電信や短波放送に耳を傾けながら、エンジン音が響く機内でヘッドセットをかけて通信に集中していた当時のラジオオペレータに思いをはせていました。