6球スーパーの修理(4)2021年01月07日

高周波増幅の配線

さて、今日も何とも感度の低いラジオの修理です。少し電圧配分が変なところもありますが、大体良さそうです。真空管を交換しても感度は変わりません。

ここで変な現象に気が付きました。アンテナ線を触ると普通は感度が上がるものですが、全く反応しません。アンテナコイルは断線していないようです。代わりにトップの高周波増幅管(6D6) のグリッドキャップに触ると音が大きくなります。

よく見ると、アンテナコイルからバリコン、グリッドキャップへの配線が妙に太いようです。チューブをはがしてみたらなんと、シールド線が使われていました。パイロットランプが近くにあるのでハムを防ぎたかったのでしょうか。低周波用のシールド線をこんなところに使ったら、バリコンと並列に数十pFのコンデンサがつながったのと同じですから、同調がずれて高周波増幅のゲインが出るわけありません。普通のリード線に交換したところ、感度がかなり上がりました。2mくらいのアンテナ線で実用的な音量が出るようになりました。写真は直した後の状態です。コイルの中にシールドにつなぐために引っ張り出したアース線が残っています。

たぶん、最初から感度が低かったでしょう。長いアンテナを張って使っていたのではないでしょうか。せっかくのRF付6球スーパーですが、使い慣れない高周波増幅回路で失敗しているアマチュアのラジオはたまに見かけます。

まだノイズが目立つので、次はもう少し細かく見ていきます。